MA推進スキル育成を見据えた体制づくりのポイントとは?

最近MAを取り巻く状況も変わり、既に導入済もしくは検討中というお客様も増えてきました。その中であがってくる話題の1つとして、MAの取組には幅広いスキルが求められるため体制に困っている、という点があります。

今回は、MA実施時に求められるスキルと、体制づくりについて、お話したいと思います。

 

MAに取り組んでみて気づく必要スキル

 

そもそも、MAはマーケティングや営業推進などの部門での活動の一つとして立ち上がるのが多いです。

よくMAは組織横断的な取組である、ということはご説明差し上げますが、いきなり組織横断での体制を作れるのはまれな方でしょう。むしろ、チームというよりは、担当者1-2名ぐらいの体制というほうが多いのではないでしょうか。

そういった状態なので、当然、担当者のスキルとしては偏りが出ます。とはいえ、タスクは進める必要があるため、いろいろな検討・推進事項に直面して、そのときにMA施策推進に必要となるスキルに改めて実感していきます。

 

どういったスキルが必要とされるか、という点を改めて整理したのが図1です。

 

図1.MA関連スキルマップ

 

比較的MA実施上欠かせない「コンテンツ準備」「ツール設定」「シナリオ検討/結果分析」は、イメージもお持ちの方も多いのですが、「プロジェクト管理」や「運用管理」といったマネジメントや、関連各部門と全体の設計(プランニング)をしながら進めるというスキル領域も重要です。

前者の「欠かせない」部分だけでも施策実施は可能ですが、この場合、せっかくのMAツールがメール配信ツールになってしまうリスクがあります。やはり、MAとしての積極的な施策推進には、他部門も巻き込んだ全体設計を描き、マネジメントしていくというのが欠かせません。

 

当然1-2名でこの幅広いスキルをカバーできるようにすることは、あまり現実的ではありません。そのため、複数名で体制づくりを進め、各スキル領域をカバーする必要があります。

 

 

体制づくりを進める上でのポイント

 

一言で体制づくりといっても、すぐメンバーが集められるわけではありません。そのため、図1のような整理と共に、組織横断的な取組であることを、関係者内でできるだけ共有していくことが必要です。いわゆる「啓蒙活動」です。

このときに、”関係者で一緒に考える・進める”という連帯感を醸し出すことも大切です。ここが伝わってくると、フルアサインは無理にしても、協力が得られやすいかと思います。

 

また、関係者を巻き込んで行く上では、役割分担や責任範囲を具体的にしておきましょう。どこまで協力すれば良いのか伝わりやすくなるためです。

ただ、気をつけないといけないのが、役割分担を明確化し過ぎたり、「ここだけでいいから」みたいな説明が増えると、“縦割り”化にもつながるため、先に述べた連帯感を醸し出すことが大切になっていきます。

 

 

それでも体制上スキルが足りない場合

 

幅広いスキルは必要なのは必要ですが、施策規模や方向性をふまえると、現時点では不要、もしくは浅くても良いものもありえます。例えば、システムとの外部連携は、CRMと連携しない場合などは、さほど必要ありません。

 

社内にスキルが足りない場合は、施策規模や方向性に応じて、外部リソースも積極的に活用することも考えたほうが良いでしょう。

部署異動が多い企業の場合は、せっかくツール設定スキルを身につけても、次は関係しない部署に行く場合もありえます。さらに、変化の早い昨今では、どんどん新たなツールスキル習得が求められる場合もあります。

また、内製化を積極的に推進し、どんどん多様なスキルを身に着けさせる会社もあるかと思います。(その場合は、外部リソースは、スキル指導を行う人材となります)

 

どちらが正しいといったことではありません。何を社内のスキルとして育成し、何は外部リソースに依頼でも良いのか、そこは企業としてのスキルロードマップをどう考えるかということになります。

 

ただ、取組が続くとスキルが属人化したり、何らかの理由での人事異動のような話はあるため、いずれの場合でも、ポジションのローテーションやスキル共有は心がけたほうが良いでしょう。

 

 

 

今回は、スキル観点での体制づくりについてお話しましたが、顧客との関係性づくり/ステージ(ファネル)に応じた体制づくりという点についても、今後お話したいと思います。

 

記事を書いた人

蝦名 祥征