自力でコンテンツマーケティングを実施したいあなたへ!~ 第二弾 プランニングの肝となる4つのステップ ~

前回は、コンテンツマーケティングを実施するにあたり、必要となるタスクの全体概要をお伝えしました。
コンテンツマーケティング実施には、プランニング⇒実施⇒計測という3つのステップがあり、プランニングでは、大きく、ペルソナの設定⇒カスタマージャーニーマップ(CJM)の作成⇒CJMからコンテンツへの落とし込み⇒エディトリアルカレンダーの作成、という4ステップにわかれます。
プランニングでKGI、KPIを設定できるとよいのですが、初めてコンテンツマーケティングなど、設定が難しい場合は、その作業は後回しにし、まずは実施してみて、その結果をもって検討することをお勧めしました。

今回は、全体の流れの最初のステップとなる、プランニングの4つのステップにフォーカスしてお話します。
プランニングでは、「誰に」、「何を」、提供するのか明確にした後、「誰が」、「いつまでに」、作るのか、作業分担を実施します。
これらの作業は、コンテンツマーケティングを実施する上での判断基準設定に繋がる話であるため、検討に時間を要します。しかし、ここでしっかり検討できたかどうかで後工程のスムース具合が変わりますので、気合を入れて取り組んでみてください。

では、最初のステップ「誰に」を決めるところから始めてみましょう。

 

ステップ1.「誰に」コンテンツを読んでもらいたいのか、ペルソナを設定

ここでは、コンテンツを読んでもらうターゲットを定め、そのターゲットのペルソナ(人物像)を具体化します。

ペルソナを設定しなくてもコンテンツは作成できるけど、設定しないといけないの?
と思われる方もいるかもしれません。
もし、ペルソナを設定せずにコンテンツ作成に入るとどうなるのかご説明すると…
・読み手がどういうテーマのコンテンツを欲しているのかイメージし難く、作り手が作りたい内容のコンテンツに偏りやすい
・コンテンツ内の訴求ポイントを定めにくい(どういう切り口で、何を強調することで読み手が次の行動へ進んでくれるのか?)
・どのような口調で記述したらよいのか決め難い(カジュアルな口調?丁寧な口調?)
・どのような挿絵やサムネイルが良いのか決め難い(ふんわり明るい雰囲気?ビジネスライクな雰囲気?)
・ユーザの気持ちや行動を想像し難くなるため、CJMも作成し難い

つまりは、ペルソナを設定しないと顧客視点で考え難くなるのです。

では、どのようにしてペルソナは決まるのでしょうか?
それは、コンテンツマーケティングが何を目的としたものであるか、ということに大きく左右されます。
例えば、製品・サービスの主要顧客層のエンゲージメント向上が目的なのであれば、その主要顧客像がペルソナとなります。会員制サイトでファン層の顧客のロイヤルティ向上が目的なのであれば、会員登録している主要顧客像がペルソナとなります。

ここで決まるペルソナ像によって、CJM、コンテンツのテーマ、訴求ポイント、文体、挿絵のデザインなどが変わります。

 

ステップ2.「何を」提供するのか考えやすくするため、CJMを作成

ペルソナが決まったところで、そのペルソナに「何を」提供するのか、を検討します。

これを考えるためには、カスタマージャーニーマップ(CJM)が役立ちます。
CJMを作成することで、顧客の状況(エンゲージメントの高さなど)によって、顧客がどういう気持ちでどういうことを考えているのか、顧客視点で考えやすくなります。
そのため、どういったコンテンツが顧客に役立つのか、また、ノイズ(不要な情報で、刺さることも無い)となるコンテンツはどういうものかイメージしやすくなります。

※CJMの作成については、こちらをご参照ください。(マーケティング効果を飛躍的に向上させる!? ストーリーテリングの視点を活かしてカスタマージャーニーマップを作成

後の工程(コンテンツの作成など)では、他部門の方々へ協力をお願いする場面があるかと思いますが、そういう場面でもCJMは関係者の認識を統一するために役立ちます。
顧客はどういう状況でどういうことを考えているのか?その心境に立って、顧客にとって必要となるコンテンツを考える必要があり、それを助けるものがCJMです。
コンテンツ作成を依頼する部門が多くなればなるほど、依頼するだけでは話は進みにくいです。部門によって提供したいコンテンツが異なるなど、それぞれの都合も発生しやすいですが、CJMを通して顧客視点で認識を統一することで、仕事を進めるドライバーとなりえます。


ステップ3.必要となるコンテンツは何?コンテンツへ落し込み

CJMを作成したら、次は、顧客の状態ごと(エンゲージメントの高さの段階別)に、どういった狙いで何についてのコンテンツを作成する必要があるのか概要を決め、各コンテンツへ落し込みます。

例えば、CJM作成で、顧客の状態をエンゲージメントの高さ別に4段階(顧客が製品・サービスに興味・関心を持つ段階⇒情報収集を始める段階⇒比較検討を始める段階⇒購入の一歩手前の段階)に分けたとします。
製品・サービスへ興味・関心を持っていない状態の顧客(エンゲージメントが低い顧客)に、興味・関心を持ってもらうことを狙いとした場合、どういう内容のコンテンツが顧客にとって有用だろうか?という具合に、作成すべきコンテンツを挙げていきます。
大抵の場合、興味・関心をひくためのコンテンツでは、いきなり製品・サービスについて言及するのではなく、広くその分野について知っていただくということにフォーカスすることが多いです。そして、その範囲で、知って得するような情報や、意外な事実を提供することで、興味・関心をひきます。
同様に、残りの段階(顧客が情報収集を始める段階⇒比較検討を始める段階⇒購入の一歩手前の段階)でも、それぞれどういう情報が役立つのか、顧客の状態に合わせて、顧客にとって有用となるコンテンツを挙げていきます。


ステップ4.「誰が」、「いつまでに」、作成するのか明確化すべく、エディトリアルカレンダーを作成

「誰に」、「何を」、提供するのか決まったら、後は、「誰が」、「いつまでに」、作成するのか、具体的に決めます。
ここで責任の所在や期限を曖昧にすると、プロジェクトは延期しやすいです。
そのため、エディトリアルカレンダーを活用し、明確化することをお勧めします。
エディトリアルカレンダーでは、コンテンツ作成の狙いに対して、どういうコンテンツを作成するのか(コンテンツタイトル)を明記した上で、原稿作成、編集、ウェブサイトへの掲載それぞれの作業に対し、担当者、期限、進捗を記載します。
簡単なエクセルシートですが、あるとないとでは、管理のしやすさに各段の差が生まれます。
※エディトリアルカレンダーはこちらよりダウンロードできます。

 

 

今回は、プランニングフェーズで肝となる4つのステップについてご紹介しました。
ペルソナの設定、CJMの作成、コンテンツへの落とし込み、エディトリアルカレンダーの作成、どのステップも、共通して顧客視点でコンテンツ作成を進めることが重要となっています。

次回は、プランニングの次のフェーズである、「実施」についてお話します。

コンテンツマーケティングプランニング図

記事を書いた人

木村 恵李