作業効率化や操作ミス予防にもつながる、MAでも大切な運用設計

 

突然ですが、今後幅広いビジネス展開を考えているのもあり、思い切って社名変更することになりました。
そうなると、当然Webサイトや既存のマルケトのランディングページ等々の変更が必要になります。
そこで、作業を整理しようと、当社のマルケト環境を確認しました。

これまであまり気にしていなかったのですが、その観点で見てみると、いろいろと問題が出てきました。

・いざページを探そうとしたら、フォルダ名や構成がぐちゃぐちゃでどこを探せばよいかわからない
・フォルダ/プラグラム/アセット名が長くて画面から見切れる(最後まで特定できない)
・過去イベント告知フォルダなど、使っていないフォルダがいろいろとある
・フッター類はスにペット等で共通化しておらず、全てコピーしていたので、全て修正必要

こんな運用していた自分を呪った深夜、、、、、

 

対岸の火事ではない

これは例え話で、弊社が実際に社名変更するわけではありません。
今回は社名変更という、大きな変更を例にあげましたが、新規に共通タグを追加設定、CTA(CallToAction)に用いる電話番号変更、このレベルのことは1-2年運用していくと意外と起こります。そのため、例え話にあげたような状況が実際に発生しています。

MA導入当初は、そもそも設定する量も少ないので、さほど気になりませんが、運用開始後、施策をいくつか実施してくると、アセット数もそれなりに増えてきます。
さらに関与する人が多い場合、人それぞれのルールで運用されていくため、俯瞰するとよくわからない状態になっていくのが普通です。

システム開発プロジェクトなどでは、規模が大きくなると、開発標準や運用設計として、ある程度のルールを定めて実施しますが、MAの場合はマーケティング関係者が多いこともあり、こういった点が意外と見落とされがちです。ですが、MAでもやはり運用ルールを定めたほうが効率的です。

 

どういったルールづくりが必要か

では、どういったルールづくりが必要になるでしょうか。
例えば、名前の付け方を適切に行うだけでこういったメリットがあります。

・プログラム、アセットが探しやすい
・レポートのグルーピング、フィルタリング、ソートが容易
・どのキャンペーンに使われるかが名前からすぐに分かる
・参照すべきフォルダ、プログラムが明確に分かれている

名前の付け方だけで、効率化されるだけでなく、結果的に、誤送信、操作ミスの発生の予防にもつながります
その他には、例えば、下記のようなものもルールを決めておいたほうが良いでしょう。

・フォルダ/プログラムをはじめ、アセットの保存方法(階層・構成)
・共通化して管理するもの(各種アセット、トークン/スニペットも)
・グローバル/ローカル管理対象区別
・削除/アーカイブルール
・新規アセット作成時にメモ追記必須などの「お作法」

本来は、こういった内容を最初から定義しておくのが理想ですが、全て発生しうるパターンを想定できるわけでもありません。
そのため、基本的には下記観点を満たすようなルールがあれば、随時追加していくのが良いと思います。
・「簡潔で見やすく」
・「共通化したほうが管理しやすくなるものは切り出す」
・共同作業をしていく前提で「第三者が見てわかるようにする」

 

いちばん大切なのは運用

対象範囲も広いため、ルールを決めるだけでも意外と大変ですが、決めたからといって安心していてはいけません。
一番大切なのは、その運用です。
「随時ルールを追加していくのが良い」と記載しましたが、それも「運用」です。

ある程度の人数が関与する場合には、面倒でも明文化しておき、関係者全員が見られる場所に保存しておくのが大切です。また、新規関係者が増える際には、ルールを説明することを心がけましょう。(最低でも、ルールがあることと、目を通しておくことの指示はしておく)
また、随時ルールは変更していくことも関係者と認識合わせをしておきましょう。

どうしても面倒に思えてしまうところもありますが、こういったものは運用していくと着実に効いてきます。新規関係者にも、こうするのが効率的だから、というメッセージとともにお伝えし、早めに習慣化してもらうのが良いでしょう。「歯磨き」のように、やっていないとむしろ気持ち悪いぐらいになると上出来です。

今回は運用関連を中心にしたマネジメント作業を取り上げましたが、MA活用が進んでいくと、こういった全体を見通した管理も大切になっていきます。
今後も、マネジメントのポイントを取り上げていく予定です。
また、命名規則などについては、今後のコラムで取り上げていきます。お楽しみに。

記事を書いた人

蝦名 祥征