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Adobe Symposium 2019参加レポート

7/24に、MarketoがAdobeに買収され、初のイベントである、AdobeSymposiumに参加してきました。

個別セッション6会場、キーノート会場も、前回NationSummitに比べて大きく確保されており、参加人数も多かったという印象でした。ただ、人数規模に対しては会場が狭く感じられましたが、逆にいえば、Adobe+Marketoが一緒になったことで関係者もそれだけ増えた、ということなのだと思います。

また、Marketoの場合ですと、マーケッター中心のため、この時期だとTシャツポロシャツの方々ばかりを想定していたのですが、意外とワイシャツやビジネスカジュアルの方も数多く見受けられました。Adobe Experience Cloudのイベントであるため、CMS/ECツール等のシステム開発関連が多かったからかもしれません。(これは自分の根拠ない印象ですが)

実際の内容の方ですが、本コラムでは、特にKeynoteでの内容を受けての感想を中心に記載いたします。

まず、Keynoteでは、日本での代表となるジェームズ・マクリティ氏の挨拶から始まったのですが、先日発生した京都アニメーション様への放火事件に対して、追悼の意の表明から始まりました。やはり、クリエイティブに敬意を払う会社ならではの象徴的なことだと思いました。(この件だけでなく、本件に対しての支援も別途発表されていました)

またこれ以降は、本国Adobeの会長CEOであるシャンタヌ・ナラヤン氏、部門のエグゼクティブや事例となる顧客のスピーチ、ExperienceCloudのデモと続きますが、とにかく、"Customer Experience Management(CXM)"。
顧客体験をどう作り出すか、でした。

 

CXM理解のために

そもそもなぜCXMなのか、ということで、CXM理解のために、ということで解説されたのが次のキーワード。

DigitalTransformation と SoR / SoE

これらの解説は以下の通りです。

DigitalTransformation

これまで3度波が起こっている

  1. 1990 BackOfficeWave → ERP 業務の効率性
  2. 2010 FrontOfficeWave → CRM 売上の向上
    ※ここまでは企業サイドで管理されていた
  3. 2015 ExperieceBusinessWave → CXM
    ※今後は企業が顧客とどう接していくのか、どう選んで頂くのか

さらに +DataContents

顧客体験は全て優れたコンテンツを提供することから始まる

SoR / SoE

SoR:System of Record (データを集める仕組み)・・・企業中心のデータ構成(CRMもこれにあたります)。これは限界に来ており機能させづらい。

SoE:System of Engage (企業と顧客を結びつける仕組み)・・・関係性の醸成

という流れの中で、Adobe は、Experience System of Record:ESoR であるとのこと。とにかく、顧客体験なので、システムもできるだけ体験行動をEndToEndで記録できることを強調されていました。

こういった流れの中で、今企業としては顧客体験提供を重視すべきてあり、顧客の期待にこたえるために、

・カスタマージャーニーの再構築

・集積された多様なデータを集積して、徹底したパーソナライゼーション

このふたつを実施するんだというのが、企業としての強い信念であり、製品思想として繰り返し強調されていたポイントでした。

 

個人的には、顧客体験は全て優れたコンテンツ提供から始まる、として、コンテンツベロシティ(顧客の心が動くコンテンツを大量に素早く作れる)という機能を強調されていたところが、やはりAdobeならではだなと感じた点です。

他のこういったマーケティングソリューションでは、Adobeほどの機能群として提供できません。

また、顧客理解のためのデータ集積・活用というのが非常に強調された内容でしたが、一方で、プライバシー保護という視点で、信頼・透明性なくして実現すべきでない。プライバシー原則(信頼性&透明性/データ管理/顧客主導)を遵守すべきということは補足されていたのが、最近のトレンドを表しているところでしょうか。

 

肝心のMarketo Engage

Keynoteの中では、マルケト事業統括 福田康隆氏から、Marketoについての説明もありました。

USでのイベントに参加した弊社 横山のレポートでは、MarketoEnagageはBtoBと強調されていたとあったのですが、日本ではBtoCクライアントも多いためか、その傾向はなく、両方対応していますとおっしゃっていました。

前述のAdobe Creativeとの連携といった点は強調されたものの、既に発表されているような内容が中心で、今までのイベントであったような、良い意味での"Surprise!"な発表がなかったのも事実。新しくAdobeファミリーに参加したMarketoです、というご挨拶程度の印象でした。

 

総括として

昨年参加した際は、今までマーケッターのツールとして、マーケッターが業務プロセスをコントロールするんだ、というメッセージを感じました。(テーマは"Fearless Marketer"でした)

Adobeが描く、もっと大きな"顧客体験(CXM)"という観点からは、そういった部分はあくまでも顧客体験の一部であり、マーケッターだけではなく、会社全体が顧客体験をどう作り出すかに集中するんだ、という、もっと上位の視点での論点に変わったのが印象的でした。もはやMAは、ソリューションの一部ということなのだと思います。

また、全体的な印象としては、顧客体験という観点では、BtoBも対象だとはお話があったものの、デモもBtoCですし、BtoBではどうなるのかイメージ提示まで出来たかという観点では、正直そこまでは至っていなかったと思います。

これが今度MarketoEngageが加わることで、今後はもっと具体的なソリューション化されるのかもしれません。

 

最後に

最後に、Marketoでは、毎年イベントの際に積極的に活用されたユーザを表彰する、MarketoChampionという取り組みがあります。

今年は、先日弊社事例インタビューにも出ていただいた株式会社IDOMの目黒様が、Marketer of the yearを受賞されました。

元来非常に有能な方でしたが、Marketo導入当初全くご存じないところから始め、その後徐々に実力を発揮され、ついにChampionにまでなられたことは、ご支援している我々にとっても大変な光栄なことです。

今後も、ご支援するお客様からChammpionになられるような方を輩出できるようにご支援していきたいと思った次第です。

(執筆者:蝦名 祥征)