マーケティングプランニングの「わかるようでわからない」-ペルソナは何の役に立つ?ー

 

近年のマーケティングにおける潮流のひとつとして、「マス・マーケティングからエンゲージメント・マーケティングへ」があることは、皆さんご承知おきのことかと思います。企業と一顧客の関係を深め、持続させていくことに重きを置く動きは、すっかり定着してきたように感じます。

この流れを受け、MAツールを導入したり、CRMの見直しを進めたりする企業が多いのではないでしょうか。

弊社でもエンゲージメント・マーケティング推進のためのMA活用支援をさせていただいておりますが、プランニングを進める上で、「わかっているようでよくわからない」マーケティングの概念につまずくことがあります。

その筆頭が「ペルソナ」かもしれません。

 

ペルソナを決めておくと、マーケティング活動がスムースになる

マーケティング施策をプランニングする際、皆さんは何から着手するでしょうか。KGI/KPI設定やチャネル/コンテンツの選定などが頭に浮かぶかもしれません。

これらの検討をする際、無意識に「施策のターゲットはこんな顧客だから、〇〇をゴールにしよう/このコンテンツでアプローチしよう」と考えたりしませんか?この、ターゲットを明確にすることが、ペルソナ設定のプロセスだと言えると思います。つまり、「誰に対する施策なのか」をしっかり考えることで、他の検討事項の助けにもなるということです。

具体的にお話ししていきます。

 

1.「誰にアプローチしているのか?」チームで共通認識を持つことができる

営業とマーケティングが考える「見込みの高い顧客」には、ずれが生じることが多いです。「営業に優良リードを引渡しているが、成約につながらない」という話をよく聞きます。

この一因として、マーケティングと営業で、ターゲットのペルソナ設定が違っているということが考えられます。

営業が求める顧客像とは異なる顧客をマーケティングが引渡しているとしたら、成約につながらないのも当然です。

これを防ぐために、マーケティングと営業で、「どのような顧客を追っていくのか?その顧客の見込み度を上げるにはどうすればよいのか?」をしっかり施策実施前に検討し、共通のペルソナを持つことが大事です。そうすれば、両者間でターゲットの認識齟齬を防げますし、お互いの顧客アプローチ内容についても納得がいくものになるでしょう。

 

2.発信するメッセージ(コンテンツ)のヒントを得ることができる

施策を考える上で行き詰るのが、「どんなコンテンツでターゲットにアプローチすればよいのか?」ということです。

根拠や拠り所がないところからコンテンツを生み出せと言われても、そう簡単にできるものではありません。

そんな時、ペルソナ設定が役立ちます。

例えば、ターゲットとする顧客のペルソナで、その購買プロセスにおける状況(ステージ)を「業務の課題は認識しているが、情報収集が進んでおらず、解決策を見つけられずにいる」と設定していれば、ペルソナが陥りそうな課題は何だろうか、課題別のソリューション紹介や事例紹介のコンテンツを送ってみようか、など検討の糸口が見つかることでしょう。

 

3.施策の改善プロセスに活用できる

施策を実施後、顧客の反応が「想像していたのと違うな・・・」となることがあります。当然、もっとよい反応を引き出すためにはどうすべきか、改善を試みると思います。

ペルソナは、この改善プロセスの手がかりにもなります。

例えば、描いたカスタマージャーニーが顧客のタッチポイントやチャネルをカバーしているのか、あるいは顧客の購買ステージを正しく把握しているか、自分たちで設定したペルソナと照らし合わせることで、整合性を取ることができます。

それでも思うような結果が得られない場合、ターゲットを見つめなおす意味で、ペルソナ自体の再検討をするのもよいでしょう。

 

ペルソナを設定することで実現できることとして、下記3点をご紹介しました。

 

1.「誰にアプローチしているのか?」チームで共通認識を持つことができる

2.発信するメッセージ(コンテンツ)のヒントを得ることができる

3.施策の改善プロセスに活用できる

 

 

いずれも、施策のPDCAを回し、マーケティング活動を推進するために、重要な要素だと思いませんか?ぜひプランニングのプロセスに、この「ペルソナ設定」を入れることをおすすめします!最適な顧客に、最適なメッセージを発信し、見込み度を上げるための改善を行っていきましょう。

コンテンツマーケティングを進める際のペルソナ設定についても、弊社スタッフがコラムを執筆していますので、ぜひご覧ください!

 

記事を書いた人

松本 悠香