こんな海外出張はいかが?

たまには過去のことを書こうかと思います。まだ私がコンサルティングの現場に出ていたころの話です。
 
ご存知のとおり、当社はグローバル企業のお客さんの仕事で、海外出張があります。
私の場合は、ロシアに結構行っていた時期がありました。
グローバルでCRMを展開するお仕事で、モスクワの販売拠点から、「日本の営業の仕方を教えてよ」というリクエストに応えて、現地でナレッジトランスファーをするお役目で参りました。
「ロシアは難しいよ」と言われてはいましたが、ご多分にもれず、まあ、驚きの連続でした。
初めて行ったときのことを少し思い出してみました。
 
まず移動編。
時間の関係もあって、ロシア最大の航空会社、アエロフロートの便で行ったのですが、まずいきなり、肘掛、リクライニングが体重を乗せるだけで「ガクっ」と下がる、、、という歓迎?からスタート。こ、これって、壊れてますよね。。(とは言えず)
マジですか?と思いましたが、みんな当たり前のように普通に乗っているので、郷に入っては郷に従えで、ずっといい子にしながら到着を待ちました。
 
そして緊張の到着。現地はすでに夜でした。
着いた空港が、シェレメーチエヴォ国際空港という、現地の人からは「あー、そっちですか」と言われてしまう、当時サービスや治安など、諸々で評判がいま一つの空港。いや、いま一つどころではなかったようですね。。
まあ、とにかく、着いたときの感想は、「暗っ!」
照明が暗い、雰囲気が暗い、人も・・・(ごめんなさい)。
そして外には旅客機よりも、これって軍用の機材??というようなものが沢山存在し、真っ暗ななかで雪をかぶって不気味に存在感を放っていました。
まあ、強烈なアウェイ感でしたね。
*ちなみにこの空港、近年はリニューアルされてだいぶ良くなったそうです。
 
その後の街への移動のタクシーも、「運転手さん、、お、怒ってます?」というくらい、必要最小限のことしか話さない、笑わない、何かいっても「ダ。」(Yesの意)のみ。最後の方に「ハラショー」(Fineの意)と少し言ってくれたかな(汗
まあ、これは国民性なので、徐々に慣れました。
 
そんなこんなで無事に街につき、翌日は仕事の現場に到着し、ロシア人の面々を相手にしたセッションが始まりました。ここからはお仕事編です。
こちらはバッチリ準備をしてきているので、自信満々で資料を説明していきます。
でも、いくら営業プロセスの話をしても、いまひとつ盛り上がりません。「日本の営業の仕方を知りたい」というリクエストで、アジェンダをあらかじめ伝えてOKということだったのに、です。
その後ディスカッションになり、結局聞かれるのは、拠点の数、配置、人数など。要は組織図を事細かに説明をさせられるわけです。
 
まあ、外してましたね。ニーズ大外しです。
向こうは、まず市場が成長期にあるので、いかに効率的に営業戦力を配置するか。が重要だったわけです。そうです。ずいぶん昔に日本でも流行ったランチェスター戦略のステージだったのです。
もうひとつ。マネジメントの考え方の違い。
広い国土で拠点を作り、現地で採用をする。本社からすると、社員ひとりひとりなんてもちろん知りません。1人やめても1人入れば、戦力は同一です。そんな環境ですから、プロセスの見直しの貢献度よりも、人員数の貢献度の方が高い。考えることは、どこまで1人でカバーさせられるか?なわけです。
言葉としては「営業のやり方」といっていたことが、こうも中身が違うとは・・・あとで何とかリカバリーしましたが、少々非効率な仕事をしてしまい、ある意味とても勉強になりました。
 
海外の仕事は、とにかく「ベースが違う」。これを頭に置いて仮説もって臨まないといけません。この話に限らず、言葉だけで勝手に解釈して外しているシーンをいくつも見たことがあります。大事なポイントですね。
そのベースを見る「視点」(この場合は市場成熟度、マネジメント習熟度とかですかね)を、経営を見る観点としてどれだけ引出しとして持っているか、が重要です。
 
その後も月一ペースで何度か行ったのですが、現地のエースでキーマンだった、MBAホルダーで英語も堪能な若手役員が、あるとき突然辞めていなくなっていました。どうもそのあたりの事情は欧米と同じみたいです。
いや、キャリア形成だけでなく、街も正直アメリカと同じですよ。世界の有名ブランドの入ったショッピングモールがどーんと存在していました。
こういうのは行って感じないと分からないですね。ググっているだけでもかなりのことは分かる時代ですが、それでもね・・・
 
そんなこんなで何度か行ったロシアも、今やいい思い出です。その後自分は出かけることはほぼなくなりましたが、当社のメンバーは今あちこち行っています。
おそらく自分なんか以上に、「え??え??」というような面白い経験をしてきていると思います。追々、コラムなどでお伝えしていきたいと思います。
 
最後におまけです。
またアエロフロートの話ですが、一度、機内で「ドアが焦げ始める」というプチ火災に見舞われたことがあります。
機内がざわざわし始めて、その方向を見てみると、「あ!燃えてる!!」 ドアが徐々に焦げ始めているじゃないですか・・・
乗務員から事務的に周辺からどかされて、なんとドアに隙間をあけて冷やすという荒療治で事なきを得る(?)というのを経験しました。
生きててよかったです、笑。
 
また機会があったら、食事編、ぼったくり編など書いてみますかね。

記事を書いた人

横山 彰吾