Adobe Summit2019レポート その4

さて、最終日、ついにMarketo dayが訪れました。
昨年までMarketo単独で行っていたMarketing Nationの位置付けとして、改めてキーノートから始まりました。もちろんメインスピーカーは、Steve Lucas氏。

初日の全体のキーノートで触れたことを、より具体的に話してくれました。参加者もMarketoファンが多いようで、相当な盛り上がりでした。

皆が気にしていたAdobe社との補完関係の説明から始まり、「これからは、Experienceが全てを変える」というメッセージ。

どういう視点でバリューを語るか、というのがあるのですが、これまでは「マーケターの見方」という機能視点の切り口でしたが、今は機能もプロセスもくくって全体で「体験」という形で、一段上に、というか斜め上くらいの視点になった印象です。

刻々と変わる顧客の状況を、いかにリアルタイムにとらえるか。それがMarketing cloudとMarketo engageによって可能になる。考え方だけでなく、道具を持っているのは強みですし説得力があります。

 

途中、Marketing Nationらしく、恒例のMarketo championの紹介も行われました。みなさん簡単なスピーチをしてくれるのですが、何名かの人で共通していたのが、”Experiment”、つまりやってみて繰り返すことの重要性です。やはりそういうアプローチができる人、できる環境にいる人が成功しているということを実感しました。

 

後半は、CMOや製品担当エグゼクティブにバトンタッチし、今後Marketoがどう変わるかを説明されました。

UIの変更、Adobe sensei(AI)プラットフォームの活用、ダッシュボードの進化など、統合や3rdパーティとのパートナリングに伴い可能になることが多く控えています。日本でいつリリースされていくのか、追いかけていきたいと思います。
意外と普段Marketoを使っている人からすると、素材の加工が簡単になることなどが有難い機能かもしれません。

AI(Adobe sensei)の話は少しまとめておきましょう。大規模なサイエンティスト集団により作られるSenseiは、MAに対しては以下のようなインパクトを与えるようです。
・キャンペーンの対象者の予測~レコメンド
・スコアに加えてキャンペーンを実施する最適な“時期”のレコメンド
・イベントにどの位の来場者が期待できるか、についての予測
・ABMでの有望な顧客(企業)のランキング
・効果的なコンテンツの推奨  など。

そう遠くない将来、こういうことが可能になります。

これまで私たちもお客様のデータを一生懸命分析して上記のようなことをしてきました。それがツールでできるようになるということです。素晴らしいことだと思います。が、現場感覚でいうと、やっぱりこれを活かすのも殺すのも「データ」です。

デモのような状態を通常業務として実現できるかどうかは、それぞれで環境の異なる個々のお客様と我々のようなパートナー次第だと思います。

 

その他、新しいのは、ペイドメディアとの連携や対話型コミュニケーションでしょうか。LiveRamp、Linkedinとの連携や、Drift社との提携により実現できることが一気に増えます。日本ではどうだろう?という懸念はつきまといますが、方向性を示してくれているという意味では、非常に貴重な情報だと思いました。

以上のように、Marketo Engageだけでもかなり次元の違う進化が期待できそうです。

 

全体を通じて一番印象的なのは、「ビジネスとクリエイティブの統合」という昨今の経営改革の傾向の縮図が、Marketo+Adobeで実現されているというところです。実際に登壇者も、これまでのサイエンスにクリエイティブが加わることが自身の考え方にも影響を及ぼし、歓迎している印象でした。私も興味のある分野なので、よい刺激を受けました。

 

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以上、計4回にわたって、Adobe Summit2019のレポートをブログ形式でお届けしました。
今回、こういった貴重な場に参加する機会を作っていただいたAdobe社の皆様、そしてイベント期間中何かとフォローしていただいたMarketoの皆様、さらには現地で貴重な情報交換をさせていただいた、日本からの来場者の皆様。お会いした全ての方々に御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。

我々のような会社は、こういった大きな流れを「実際のものにする」という役割を追っていると認識しております。今後ますます多くのお客様にお役に立てるよう、今回得た知見をフィードバックしていきたいと思います。

記事を書いた人

横山 彰吾