ワーケーション実践レポート

今年もコロナ感染拡大真っ只中で迎えたゴールデンウィーク。基本はステイホームなので、少々悩みましたが、この機会を利用して、新たな働き方「ワーケーション」をしてみました。

連休中にリゾートへ出向き、合間の平日はしっかりリモートで仕事をする、というプランで、三浦半島の観音崎というところのホテルにステイです。

当社ではすでに、「本社+サテライト+自宅+クライアント先+α」というワークスタイルでバーチャル空間でリアルと同じ状態を作る努力をしています。そのなかの「α」の部分。実際はなかなか試すスタッフもいないので、自ら実践です。

何事も百聞は一見にしかず。実際にやってみると様々な気づきがあったので、レポートしたいと思います。

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休日のうちにホテルにチェックイン。初日は少しのんびりして、近隣を散策し、翌日の朝から早速お仕事開始です。

 

連休合間だということもあり、リモート会議は3つ程度。それ以外はスタッフの業績評価や自分の作業に充てました。

 

まず、仕事をやってみた感触はというと、、

PCに向かっての業務やリモートでの会議。これについては、正直、まったく問題ありません。デスクとWi-fiがあれば、普段と変わらず仕事ができました。(あたりまえか。)

ただ、ホテル内に何か所も仕事ができるスペースがありましたが、結局仕事は部屋にこもりきりでしたね。やっぱり仕事の性格上、オープンスペースは難しいです。

 

さて、気が付けば夕方。まだ明るさが残るうちに業務を終え、早速、海沿いをジョギングしてみました。

海岸沿いのボードウォーク。散歩している人も結構いました。

海もきれいなもので、三浦までくると透き通っています。

 

仕事終了直後にこの切り替えができるのは、なかなか得難い経験。最近急増しているという、都心からの移住というのは、この生活が得られるということか、、と実感しました。

バケーション的側面としては、これについてはよかったです。

 

あと意外に困ったのは食事でした。

結局、昼休みに出歩くなどもできず、ずっとホテル内での食事。これは場所の選択の問題ですね。このあたりはあらかじめ考えておく必要がありました。

ちなみに今回の宿は、グランピングの設備もありました。BBQはうらやましかった・・・

 

そんな平日を数日こなし、ホテル側からも覚えられて常連感が出てきて、昔の文豪ってこんな感じなのかな、、などと思い始めたころに全日程終了。

チェックアウト後の休日は最高の晴天で、クルマで海岸沿いを走り、友人と合流して軽くアクティビティをしたり、カフェで食事をするなど、ちょっとしたバケーションも楽しみました。

 

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こんな形で十分なリフレッシュもできたワーケーション体験。

経営のしくみの観点から、改めて振り返ってみます。

まず仕事面ですが、難なくこなせたものの、トータルでの生産性ということでいうと、少し微妙だったかなと思います。

普段から、極限状態での生産性追求をするというクラシックな(?)特性のコンサルティング業務を行っていると、日常相応の集中や詰め込みができたかというと少し足りなかったかなという感じ。

やはり、今回海沿いのホテルだったこともあり、何かひと段落すると、外に向かって「はあ~~」と背伸びをしたり、ベランダに出てみたり、結果的に息抜き頻度が多くなってしまいました。。だって気持ちいいですから、笑

どれくらいでしょうね、生産性は普段の3割減くらいだった感じでしょうか。

 

あとは、見方をかえて、バケーションとの融合の観点でいうと、「バケーションに仕事をつける」か、「仕事にバケーションをつけるか」というので、少し違うかなと思いました。

家族旅行とくっつけて、という感じだと前者だと思います。いいこともありますが、誰もがうまく仕事できるかは課題。

平日料金を利用して、というメリットを享受してやってみるには総合的に良いかもしれません。

何人かにきくと、旅行は旅行。仕事をはさむなら会社が負担してくれれば、、という声もあります。ごもっともだと思います。

これは難しい判断ですね。完全に業務として、例えば社員複数名で自由な発想を求めてワークショップに出かけるならいいと思いますが、これだと昔からあるオフサイトと変わりません。

やはりそれと異なるものでないと意味がない気もします。ライフスタイル、ワークスタイルのひとつであるべきでしょうね。

こういう感じですので、スタッフみんな積極的にやるかというと、ちょっと分かりませんので、様子をみたいと思います、笑。

 

ただもっともっと長い目で、「世の中の働き方の変化の中に位置付ける」と考えてみると、こういうものが当たり前になる時期がくるかもしれません。

ここまでの話は、あくまで既存の価値観、既存のビジネススタイルを前提にしていますから。

コロナ禍をきっかけに「働く」ということ自体が変わると、仕事と余暇の区別もこれまでとは違うものになる、そういう大きな変化のなかでのワーケーションなら非常にいいものになるのではないでしょうか。

最近、働き方の研究の一環で、フィンランドのことを勉強しました。毎日夕方4時に帰るとか、元々自宅でのリモートが主流だとか、最近ひとつのモデルとして注目されていますよね。

そんな一見自由すぎる状況下ですが、きっちり成果も出していて、それなりに厳しくて、というビジネス環境だそうです。そして、そのモデルの根底には国に根付く「シス」という概念があるそうです。「不屈の精神」とか、「頑張る」とかの意味だとか。

こういったそもそもの価値観と整合がとれていて自然な形のものであれば、とてもいい働き方になると思います。仮にそうなったときには、わざわざワーケーションとは呼ばないでしょうね、笑

 

以上、今の世の中でのワーケーションをやってみたら、いい面、課題、それぞれありました!というご報告です。

これからも会社としての質を上げていけるよう、色んなことにチャレンジしていきたいと思います。

記事を書いた人

横山 彰吾