コンサルタントが考えるデスクトップリサーチのポイント

インターネットの普及により、ビジネス環境において情報の入手が容易なものになっています。
知見のない市場や業務について知りたいとき、まずは目の前のPCで検索をする方がほとんどだと思いますが、情報過多の現代において狙い通りの情報を見つけることは容易ではなくなっているのもまた事実ではないでしょうか。

我々コンサルタントは資料作成を多く行いますが、その中で何かを調べるというのは常に必要になってきます。
今回は、そんなコンサルタントの視点から、デスクトップリサーチを行う際のポイントについて触れたいと思います。

調査の設計を行う

デスクトップリサーチを行おうと思った時、すぐに検索窓を開いている方!要注意です。
調べる前に調査にあたっての設計を行うことが一番重要です。この後にリサーチのポイントを記載していますが、この項目が調査成功のカギを握るといっても過言ではありません。

何の目的で、どのような情報が手元にあり何の情報が欲しいのか、それを入手できると何がわかるのか・・・
これらを整理し、欲しい情報の「種類」と「濃度」を知ることが大切なフローとなります。

ここをおざなりにしてしまうと、さんざん時間をかけて調べて情報を揃えた挙句、成果に繋がらなかったという事態になりかねません。
調べ始める前に全体の設計を行うことは常に意識しておきたいポイントです。

調べ方のコツを知る

実際に調べ始めると、なかなか思うような情報が出てこないと誰しもが感じたことがあるのではないでしょうか。
一口に「調べる」と言っても、そのためのコツがいくつか存在します。

要素分解

例えば「○○製品の課題」について調べたいと思った時、単純に「○○製品 課題」と調べて解決すれば問題ないですが、それで求めている情報が出てくるとは限りません。
そのようなときは「課題」という表現を、欲しい情報の切り口に沿って「規制」や「クレーム」などの具体的な表現に落とし込み、後で「課題」として括る視点が必要です。

検索方法

「○○とは」と調べると意味や由来が出てくるのはご存じのことと思いますが、OR検索・AND検索・NOT検索等を駆使して必要な情報に絞った検索を行うと効率的に調べられるのでご使用いただければと思います。
また、意外と盲点なのが国内の情報に限定して調べてしまっている、という点です。これは検索サイトによって方法は変わってきますが、英語版で検索するとまったく違った切り口の情報やホワイトペーパーが出てくることもありますので、自動翻訳と併用して使ってみることをお勧めします。

“正しい”情報を集める

冒頭に「情報過多の現代」という表現をしましたが、今調べている情報は誰が書いたものでしょうか。
というのも、デスクトップリサーチをする際に気をつけたいことが「一次情報」と「二次情報」の違いです。

  • 一次情報・・・情報の出所となる元データ
  • 二次情報・・・一次情報を使って、分析したり筆者の意見が加わったりしたもの

インターネット上で圧倒的に見つかりやすい「二次情報」ですが、一次情報に加工や編集が加わっているため、それを加えた人や企業の意図が含まれていることが多く、場合により歪曲して情報を引用していることがあります。

デスクトップリサーチを行う際には、「一次情報」までソースを遡ったうえで情報を収集することを意識するのがベターです。

情報元を管理する

調べ終わった後に、どこから引用してきた情報だろうかと再度調べた経験もあるのではないでしょうか。
再検索に時間を割くことを防いだり、情報の出所を裏付けるためにコンサルタントは必ずと言っていいほど参考情報のURLを記録し管理します。

Excelに情報をまとめる際に「情報ソース」の欄を確保してURLを貼り付けたり、視覚的な情報をまとめたい際にも、PowerPointに画像だけでなくURLも併せて記載しておくとよいです。

上記はもはやビジネスマナーともいえるものかもしれませんが、忘れずに実施しておきたいポイントです。

適切な手法で有意義な情報取得

デスクトップリサーチについて述べてきましたが、極論を行ってしまうと「人に聞く」というのが一番効果を発揮する場合があるのも事実です。
ただ、それらは価値観や感情が介入してしまいます。あくまで現場の声としての温度のある情報という意味であり、使うタイミングを誤ると情報の信頼性としては根拠に欠けるものとなってしまうことは注意が必要です。

今回ご紹介したポイントを意識し、調査の目的に沿った適切な手法を選択することで有意義な情報取得に繋げていただければと思います。

記事を書いた人

深澤 大輝