HX(ヒューマンエクスペリエンス)がもたらす新たな顧客接点

こんにちは!DX Labの近藤です。

最近急に暑くなってきましたね。そろそろ梅雨に入り、1か月後には一気に夏の匂いがしそうですね。

 

最近、コロナ関連で気になっていることが2つあります。

1つは、政府主導のGo To キャンペーンです。特にtravelキャンペーンに興味があり、感染の収束・観光先の受入体制共にクリアしたら是非活用したいなあと思っています。

もう1つは、以前ブログでも紹介したDX経営銘柄のスケジュール延長です。元々の予定では、5月中旬ごろに選定企業が発表され、6月から順次フィードバックが行われる予定でした。ところが、コロナの影響により時期がずれ込み、いつ公表されるかも分からない状況です。

実際、アンケート回答時から各社の取組状況も変化していることと思います。このままプロジェクトが頓挫しないことを祈るばかりです。

 

さて、5月末にデロイトトーマツグループがTech Trends 2020を発表しました。これは、この先1年半~2年間にわたり、企業や組織に影響を及ぼす新たなテクノロジートレンドについて、デロイトの見解を紹介しているものです。毎年発行されているものですが、この度2020年度版が公開されました。

この資料では、BAとしても重視しているワードが2つ出てきました。
エシカルとHX(ヒューマンエクスペリエンス)です。

 

最近、顧客とのタッチポイントにおいて、「人間味のある対応」というワードをよく目にするようになりました。こういうと、一見テクノロジー至上主義からの回帰を想像しますが、必ずしもそういうわけではなく、テクノロジーと人間のシームレスな連携やテクノロジーの高度化による自然な対応など、捉え方は企業によって様々です。

こういった考えは、前述したHXの概念に基づいたものだと考えられます。
HXを端的に説明すると、CXの延長線上にある体験価値を捉えた新たな概念です。
これまでの体験価値の捉え方として、UXからCXへ、点から線へと、把握すべき顧客の時間軸が変化してきました。

HXでは、顧客だけではなく、従業員やパートナーなどのステークホルダーを含めた体験価値を大事にする考え方です。これにより、中心がユーザー→カスタマー→人間 と変化しており、より大きなものの見方をする概念となっています。

 

もう少しかみ砕いた話をすると、テクノロジーにより、適切なタイミングで適切なコンテンツを送るというような顧客へのアプローチが改善されました。それでは、中心を人間に置き換えた時に、何が可能になるのでしょうか?
テクノロジーにはなく人間にあるのが、共感、感情、エシカル(倫理的)といった概念です。
人々に心から共感し、また自らも共感されうる行動をとることで感情的な面でのロイヤルティ向上が望め、またエシカルな行動による信頼性向上なども考えられます。

 

上記のようなものの見方が広まるにつれ、従来のロジカル寄りの考え方がエシカルに、顧客の態度変容を追いかけていたのが感情重視に、と注目ポイントが変化してきているのです。
ここで先ほど挙げた「人間味のある対応」に繋がります。エモーショナルな部分に働きかけるために、CXの文脈でHXの概念を取り入れている企業も見かけます。
そしてHXの解釈にはばらつきがあり、「人間味のある対応」のことを、AIがより人間らしく振舞うさまだと理解したり、テクノロジーと人間の連携による柔軟な対応だと理解したりという違いが生まれます。

 

BAとしては、元々CRMやMAといった手法を使って充実させてきた顧客接点が、HXの考えを取り入れることでより直接的なアプローチになりうると考えています。
入手するデータの幅が広がることにより、今後は行動と興味関心を複合的にトラッキングするなど、より幅広い顧客接点の捉え方が可能になるのではないでしょうか。

 

デジタル化に向かう中で、世の中には色々な考え方が出回っています。
何を選択し、どんな解釈をするかによって、似たような話でも全く異なるサービスとしてアウトプットされます。自分の会社に概念を落とし込んだ時に、どんな話になるのかを想像するのも楽しいですよね♪

 

それでは、次回もよろしくお願いします!(^^)!

記事を書いた人

近藤 明香里