コロナを通じて共感できなくなってしまった企業の話

こんにちは!DX Labの近藤です。

中々梅雨が明けませんね。例年だと夏真っ只中の時期で、花火や海など楽しいイベントが盛りだくさんでしたが、今年はほとんどのイベントが中止で寂しい限りです。
私は疲れると海が見たくなるのですが、今年は行くに行けず、中々気分転換が難しいと感じています。仕方がないので、動画配信サービスで提供されている海のドキュメンタリー番組を見て気持ちを紛らわせています(笑)

季節のイベントや旅行といった、リアルでの体験に魅力がある事業は、中々オンラインへの移行が難しいですよね。実際にその場に出向いて普段の環境から離れるということも、楽しむための重要な要素だと感じています。

そういったオンラインへの移行が難しい企業こそ、顧客とのつながりを重視してほしいと感じています。今回は私自身がユーザーの立場で、コロナを通じてロイヤリティが低くなってしまった企業について紹介します。

 

私は、旅行関係の事業を展開している某企業のメルマガに登録しており、週に3通程度メールが来ます。
元々、サービスが一流で、また経営面でもデジタル化の波にうまく乗った施策を展開しており、どの面を見ても共感を覚える非常に好感度の高い企業でした。そのため、週に3通と多めの接触ではありますが、コロナ以前は楽しみながらメルマガを読んでいました。

しかし、コロナにより環境・心情が変化した後も、頻度や内容に変化はありませんでした。ほぼ全てのメールが、「早めの予約がお得」「今年の夏の旅行特集」「〇日までの予約で〇%オフ」といった、予約を促す連絡です。
日々状態が変わる状況で、早めの予約は無理ではないか?早めに予約してまた感染者が増えた場合のキャンセル料金はどうなるのだろうか?今は県外から来ないで欲しいと表明しているところもあるが、特集していいのだろうか?
メールを読むたびに、上記の疑問が浮かびました。

 

私自身、完全な自粛派というわけではありません。気分転換に、次の旅行プランを立てて楽しむこともありますし、ある程度落ち着いたら旅行したいと思っています。
しかし、週に3通も「旅行に行きましょう!今ならお得!」というメッセージを打ち出されると、世間との乖離を感じて共感できなくなってしまいました。また、この人たちは私宛に連絡しているわけではなく、あくまでもメルマガなんだな、という少し白けた気持ちになってしまいました。
いつも世の中の動向をよく見た施策を打ち出しているため、マーケティングに対しても期待しすぎてしまったのかもしれません。

 

一方、好感度が高まった例として、化粧品ブランドが挙げられます。
こちらも、元々製品の方向性や世界観が好きで、ほぼ全てのアイテムを同じブランドで統一するくらいロイヤリティの高い企業でした。
この企業は、毎年誕生日に店舗で特典を受け取れるメールをくれるのですが、今年は自粛期間を避けて感染者が落ち着いたタイミングで、受取期間を延長して連絡をくれました。そういった細かな気遣いが、好感度の高まりに繋がりました。

 

前回のブログでも触れましたが、今後は共感が重要なポイントになります。
コロナ禍での環境や心情の変化を蔑ろにしてしまうと、知らぬ間に顧客のエンゲージメントを低下させている恐れがあります。

 

是非これを機に、顧客接点を見直してみるのはいかがでしょうか。
それでは、次回もよろしくお願いいたします!

記事を書いた人

近藤 明香里