【デジマ+解析1話目】デジタルマーケティング+解析 その全体像

今回より、各月のシリーズ物として【デジマ+解析】に関してご紹介をしていきます。
いきなり、【デジマ+解析】と言われても何のことか、という疑問が湧くかもしれません。

 

“デジマ“は「デジタルマーケティング」の略語です。
そして、”解析“はそのデジマに紐づいて、Webのアクセス解析や、MAツールにおけるリード顧客の行動解析といったデータ解析を行うことを指しています。

 

「デジタルマーケティング」という言葉の知名度はこの十年強で大きく高まっていて、インターネットを検索しても様々な解説記事が見られる状況にあります。
ただ、やはりそうした状況でも、デジタルマーケティングをどう進めればいいのか、ということにお困りの企業様はいらっしゃいます。
そして、当社のお客様でもそういった困り事を抱えてご相談いただくことがあります。

 

また、デジタルマーケティングの成功に向けては、取組と紐づけてWebのアクセスや送付メールの開封等の解析を行うことが極めて重要になっています。
ただ、解析の進め方の設計・実際の業務の運用・解析結果の確認・確認した内容から施策へのフィードバック等を行う、という一連のPDCAを回していく流れをどう進めていくか、お困りのお客様は直近でもお見掛けしている状況です。

 

今回のシリーズでは、改めてデジタルマーケティングを進める中で重要なものとしての解析の進め方について紹介いたします。
実際にお困りのお客様をご支援している中で、課題意識を持っていることや、気づいたようなことも含めて説明いたします。
今デジタルマーケティングに関連して業務を行われている方々の困り事や、これからの取組へのヒントとなれば幸いです。

 

解析の着眼点:デジマの目的

デジタルマーケティングの成功のために解析を行う上では、デジタルマーケティングの取組の目的を確認することが重要です。
デジタルマーケティングの目的は、大きく二つに分けられます。

 

1. 顧客接点の拡大によるリード顧客・受注の獲得

やはり自社そのものや、製品・サービスを知ってもらい見込顧客=リード顧客になってもらうこと、そして製品の購買に繋げるということが実現できることの一つになります。
やはり最終的なゴールとしてはデジタル基盤経由での問い合わせやそこからの商談化、受注までを成果として考えている企業が多くを占めると考えられます。

 

2. マーケティングに関する業務や運用の仕組みの効率化

先ほど挙げた顧客認知向上や売上の拡大は、目に見えやすいいわゆる“表向きの成果”ですが、マーケティング組織としての業務の効率化という観点での“裏側の成果”も重要な成果の一つです。
オフラインのマーケティングでは、製品群ごとに独立したマーケティング部隊がいて、初動対応含めて縦割りで対応するような組織の形になりがちです。
メールベースでの問い合わせであれば、想定されるQ&Aを整理して、一つのマーケティングの組織で様々な製品の問い合わせを対応するような形で対応を集約化することが考えられます。

 

こうしたデジタルマーケティングによる仕組みの合理化については、“MOps”という言葉が最近用いられています。
デジタルマーケティングによる業務そのものの合理化や、仕組みとしての見える化、属人化の解消等を進めていくための考え方としてこの言葉が用いられるようになっています。
こうした仕組みの改善による業務量の削減などの効果も、れっきとしたデジタルマーケティングの成果ということになります。

 

高まるデジマ+解析の重要性

先に挙げたようなデジタルマーケティングの目的の視点から、取り組んだ(=Do)した結果を判断する(=Check)ための解析要素としては、販促メールなどの開封数・開封率や、サイトページの閲覧数や回遊数、実際の問い合わせに繋がった件数、施策と運用の実施にかけた工数や外注費等様々なものが挙げられます。
そして、デジタルマーケティングの強みは、そうした施策の成否の判断のための要素を、デジタル基盤上で収集できる様々なデータの形で把握可能なことであるのは、既に多くの方がご存知かと思います。

 

「マーケティングオートメーション」という言葉が話題となっていたひと昔前では、いかに効率的に多くの見込み顧客に情報発信するか=「メールを送り、開封閲覧してもらえているか」が重要な要素として見られていました。
ですが、近年ではマーケティングの効率化の範囲が更なる広がりを見せている中で、情報発信をする相手を増やすことと並行してユーザー体験をよくするような試みも進展しています。

 

そうなると、単純にユーザーがメールの情報を閲覧した、その中のリンクを開いた、ということにとどまらず、そこから先のユーザー体験の高度化が実現したか、というようなこともポイントになってきます。
Webサイトであれば、様々なページを用意して、ユーザーに回遊してもらい、ページ内のコンテンツを楽しんでもらい、企業そのものや、提供するサービスに興味を持ってもらえるような形が理想です。

 

そのような流れによって、当然ユーザーのデジタル基盤でのタッチポイントも増加しますし、ユーザーの行動も多様化するので、集めるデータも多様な形となります。
それらの様々なデータを意味ある形にまとめて、内容を判断するという意味で、デジタルマーケティングを運用する中での解析の重要性は高まってきています。

 

解析を進めていく中での「落とし穴」

集めるデータが多様化し、着眼のポイントが多くなるということは、当然どれだけのことを確認して進めるか迷いやすいということになります。
そうした解析の進め方の「落とし穴」は私どもが仕事をしていく中でも様々体験しているものがあります。

 

例えば、様々な細かい指標を逐一確認した結果として、運用のコストは嵩むが効果は出せないようなことが挙げられます。
また、一方で、色んなデータを確認しているが、施策の改善のために確認すべきことが網羅されていないので、結果的に解析として成果が出せないというものもあります。

 

挙げた「落とし穴」の例は、いずれもデジタルマーケティングで実現したいような目的から解析の要件が落とし込み切れていないような時に発生するようなものです。
今後のコラムでは、より具体的に、目的から落とし込んで解析を設計・運用するやり方を紹介いたします。

 

おわりに

今回はデジタルマーケティングそのものの目的と進め方の話、そこに関連する解析の話を簡単に紹介し、解析の目的から進め方を設計して運用することの重要性を簡単にお伝えしました。
次回以降のコラムでは実際に進めていく中での要所となるポイントを具体的に紹介しながら、どう進めていくか考察していきます。

記事を書いた人

菊次渉