マーケティング効果を飛躍的に向上させる!? ストーリーテリングの視点を活かしてカスタマージャーニーマップを作成(前編)

少し前のお話になりますが、4月23日から26日まで開催されていたマルケト社のMarketing Nation Summitに、弊社代表も参加して参りました。(そちらの様子はこちらからどうぞ

私もウェブ上に掲載された情報を元に当日の様子を伺いましたが、イベント自体は大盛況の様子でした。

イベントで出てきたキーワードはいくつかありましたが、その中で私が一番注目したものは「ストーリーテリング(Storytelling)」でした。

 

近年改めて注目度を増してきている「ストーリーテリング」

ストーリーテリングとは、伝えたい内容を物語風にアレンジして伝える方法です。そうすることで、聞き手の感情を揺さぶったり、話を印象付けたりしやすくなります。

この手法は、経営者が会社のビジョンを伝える場面、新製品のコンセプトや特徴を伝える場面など様々な場面で活用されています。

この方法は以前から存在するものですが、近年、デジタルマーケティングの世界でも改めて注目されています。

 

なぜストーリーテリングが再注目を浴びているのでしょうか?

その理由は、ストーリーテリングは、マーケティングで重要な要素の一つである「人の心を動かす」ということに非常に優れているからと言えます。

マーケティングでは、お客様が製品を認知してから購入に至り、購入後も製品のファンとなっていただくように、購買意欲を向上し、製品や企業へのロイヤリティを高めてもらう(心がどんどん移り変わってもらう)ことが重要となります。

そして、それを実現するために有効なものがストーリーテリングなのです。

 

カスタマージャーニーマップ作成に欠かせないストーリーテリングという視点

マーケティングとの親和性が高いストーリーテリングですが、ストーリーテリングの視点が強く要求されるものの一つとして、ここではカスタマージャーニーマップ(CJM)にフォーカスします。私自身、業務で作成することが多く、一番お伝えしやすい内容となります。

 

CJMはご存知の通り、お客様がある製品やサービスの購入に至るまでの、お客様と企業とのコミュニケーションを見える化したものです。お客様が製品購入に至る購買意欲の変化に沿って、どのようにコミュニケーションを図るべきか検討する際によく用いられます。そして、ここでは、どのようにしてお客様のコンバージョン(購入意欲の向上)を促せるかが鍵となります。

コンバージョンを促す=お客様の気持ちが変わるよう促す、という点で、人の心を動かすことに優れている、ストーリーテリングという視点が重要となります。

 

オーソドックスなカスタマージャーニーマップの作り方に潜む事実

CJMでよく見かける一般的な形は、お客様の製品購入意欲を段階別に分けたもの(認知⇒興味・関心⇒情報収集⇒比較検討⇒アフターサービスなど)です。各段階で、お客様がどういう気持ちで製品を捉えているのかを理解した上で、適切なコミュニケーション方法(企業からのアプローチ方法・マーケティング施策)を考えるというものです。CJMは、お客様との適切なコミュニケーション方法を導き出し、今後の施策に位置付ける根拠となる訳ですので、非常に重要なものであることは容易に想像できると思います。

 

マーケティング施策を考える根拠として位置付けられるCJMですが、どのようにして作成するのでしょうか?

大抵の場合は、マーケティング担当者や、時には関連部門の方々も一緒に、お客様の気持ちをイメージしながら作成されます。一言で作成と言っても結構大変な作業で、あぁでもないこぅでもないと話し合いながら作成されることがほとんどです。その過程を経て完成するCJMですが、実は、ここで完成ではありません。

 

ここで完成したものは、「仮説としてのCJM」です。

お気付きの方も多いかと思いますが、この時点でCJM作成を担当しているのは自社の社員だけで、お客様は含まれておりません。「お客様の気持ちをよく考えて」作成されていますが、社員が考えるお客様の気持ちと、実際のお客様の気持ちが完全に一致していることは珍しいでしょう。それであれば、このCJMはあくまで「仮説版」とするべきでしょう。

 

では、「完成版」を作るためにはどうすればよいでしょうか?

実際には、完成版を作成することは困難です。しかし、仮説版を検証し、ブラッシュアップすることにより、完成版へ近づけることは可能です。

ここで次のステップとして必要となることは、「検証」です。

どのように「検証」を進めればよいのか、後編で詳しくお話します。

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記事を書いた人

木村 恵李