今年も残すところあと数日となりました。多くのお客様に支えられ、当社も無事に新年を迎えられそうです。皆様に心より感謝申し上げます。
年末ということで、当社の事業運営について、昨今の気づきとこれからどんなことを考えてサービスを進めていくかを整理してみたいと思います。
従来の伴走型+デジタルマーケティングの進化 → 扱いクラウドサービスの拡張
10年ほど前からMAを中心としたデジタルマーケティングに力を入れてきましたが、今年はかなりカバー範囲が広がり、Marketo、Adobe analytics、Google analytics、Power BI、Kintone、Karteといったツールをお客様のニーズに合わせて組み合わせて導入や活用支援を行うようになりました。
節操なく広げているというわけではなく、伴走型でお客様の中でお仕事をしている過程で、必要性が生じて扱ってきたという経緯があります。いわばデジタルマーケティングの進化と共に広がってきたということになります。
昨年、MOPsが話題となった背景に、成功している企業は複数のデジタルマーケティングツールを使いこなしている、という調査結果がありました。実際に世の中そうなってきたということを実感しています。
このように扱いの幅が広がるのは、これまで培ってきた課題解決力やコミュニケーション能力といった「従来の伴走型」に「デジタルマーケティングの進化」が加わった結果で、これが当社のソリューション事業の最適なバリューの出し方として、ひとつの着地点だと思っております。
今後はこれらのなかで特に注力するものについては柱として積極的に取組み、並行してニーズに応える形での扱いサービス拡張を進めることにしてまいります。
これまでのケイパビリティを活かした「AI案件PM支援」というサービス
今年誰もが感じたのは、生成AIがいよいよ身近なものになった、ということだと思います。当然ながら、それに関連するサービスの機会は当社にもいくつか出てきております。
AI関連のコンサルティングサービスは、当社としても体系的整理を進めているところですが、少なくともいえるのは、「AI案件PM支援」というポジションは確実に担っていくということです。
業務効率化の手段としても、顧客接点で体験価値を高めるためのものとしても、何らかの導入・活用は各企業で進みます。
しかし始めてみると気づくのは、AI特有のリスクやチェックポイントにどう対処するか、ということで開発会社よりも企業側が工夫をしなくてはならないこと(しかもやったことがないこと)が次々と出てくるということです。
それらを加味して、最適な仕事の進め方を組み立てて、臨機応変に社内外を巻き込んで一つの仕事を完了に導く。こういった仕事でバリューを出していきたいと考えます。
また、あらゆる企業に忍び寄る、“AIエージェント育成”という新業務もあります。AIは完全に“使う側次第”です。人に置き換えると、育て方やマネジメントの仕方次第です。私どもは、この仕事は人材育成とシステム活用の要素を併せ持つ業務だと思っています。
これも経営機能別視点、とツール利用の勘所が分かる立場から、業務の専門家であるお客様と協力して行っていく重要な仕事として向き合っていきたいと思います。
生成AIの浸透に伴うコンサルティングスタイルの変化
AI普及浸透は、もちろんお客様の業務だけでなく、私たちコンサルティング業を営む側でも大きな変化を引き起こします。
最近、私ども同様の小規模、あるいは個人レベルでコンサルティングビジネスを行っている方々とお話をする機会がありました。印象的だったのが、みなさん異口同音に「人を雇う必要がない」と言っていたことです。
ここ数年振り返ってみてください。どこもかしこも口をそろえて「人がいない」と嘆いていました。極論をいうと、これからは真逆になる可能性を秘めています。
あらためてコンサルティング業の体質をBefore/Afterで整理をしてみました。
こちらの図のとおり、私どもも、お客様企業の皆さん同様に、必要スキルがじわじわと変わってきます。これまでは地道な仕事を経験してからステップアップするというのがベーシックなキャリアでしたが、それらをスキップしていきなりマネジメントを行う可能性があります。
そうなると初めからある程度できるコンサルタントが必要になりますし、結果として、レベル別の人員配置も、採用も人材育成の仕方も、さらには根本的なカルチャーまでも変えてしまいます。
もはやこれは避けられない現実なので、いかにうまくマネジメントをして、最適な体制でサービスを提供し、コスト抑制ができそうであればいかにお客様に還元できるか、を考えながら組織全体を進化させていきたく思います。
外部環境の変化に伴う「業務サステナビリティ型」コンサルティング
当社のサービス提供の目的や価値の出し方の側面でも、ひとつ大きな変化が見込めます。
今年、何回か起こったことですが、お客様企業の人員の入れ替わりが、転職のみならず、お休みを取りやすくなったことに伴う一時的なものも含め増加しております。
部門内のコアメンバーであっても、育休等で一定期間抜けるということは、もはやどの企業でも起こりうるという状況です。
それ自体はむしろ推奨されるべきことですが、ここでその人の業務が属人的であるために業務ごとなくなったり、止めてしまったりしては経営の現場は大混乱となります。
そういった状況を回避し、業務自体を「サステイナブル」なものにすることに、私共のような外部リソースが一役買うということが、今後大いに起こりうると実感をしております。
この業界、ここ数年は器用な人や専門性が高い人がリソースを補完する、という色合いが強かったですが、次のステップはよりお客様の業務を理解して、“人が抜けても仕事を止めない”、ということが大事になると考えます。
もし事前に予定ができる人員構成変化があれば、早めに仕事の継続ができる状態を作り、安心してお休みいただけるようにしていきます。伴走型の延長線上に、こういった役割があることが分かりましたので、遠慮なくご相談いただけるようにしたいと考えております。
さて、一通り最近気になっていることを挙げさせていただきました。
コンサルティングという人の役に立つということ以外は極めて自由度が高い事業を行っているがゆえ、Howの部分のセンスが問われます。今後も直接お客様に接することで、現場のリアルなニーズをつかんで、それを事業運営に反映させていきたいと思います。
来年も皆さまのお役にたてるよう、全社一丸となって努力して参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。