• インタビュー

オンライン、オフラインを通した顧客視点マーケティングでお客様との“出会い”を実現

利用サービス:
MA導入・活用 

クライアントデータ

ビジネスタイプ
B2C
社名
ヤンマー舶用システム株式会社
業種
製造
部門
マーケティング
規模
100〜500名

※部署等は当時のものになります

  • 背景・課題

    営業貢献のためにデジタルマーケティングを始めたが、さらなる活用をしたい。

  • サービス内容

    顧客視点でのシナリオ構築と、コンテンツの充実。

  • 成果

    30以上のコンテンツ充実と、オンラインとオフラインの営業プロセス融合。

テクノロジーを軸とした先進的なブランドイメージが定着しているヤンマー株式会社。マーケティングについても、早くからデジタルマーケティングに着目し、ヤンマーグループとして国内外・各事業それぞれに適した形でのMarketo活用に取組んでいます。
そのなかでも、プレジャーボートを扱うヤンマー舶用システムは、グループ内で先んじてMarketo導入を行いました。「顧客が検討に長期間を要するB2C」という特殊なビジネスで、多くのお客様にマリンやボートの魅力を知ってもらい、興味喚起(育成)をすることがビジネスの鍵。それこそがMarketoの威力を発揮できるとして、グループ内のモデルとしての期待も背負いプロジェクトはスタートしました。
ヤンマー舶用システムとしては、Marketoを用いた業務で成果を出し、そのやり方を早期に定着させることが重要です。そのために、導入だけではなく、自走化支援を行う当社をパートナーとして選んでいただき、Marketo様コンサルタントが導入をお手伝いした後の、本格活用に向けたフェーズで一緒にお仕事をしてきました。
今回は、大阪のヤンマー本社「YANMAR FLYING-Y BUILDING」にて、ヤンマー舶用システム営業推進課で、若くしてデジタルマーケティングを託された、プロジェクトリーダーの片山氏と、西家氏にお話を伺いました。特にプロジェクト開始時は入社1年目だった西家氏は、2年間Marketoに関わり続けて大きな変化を感じ取ったようです。担当することになってから今までを振り返っていただきました。

マーケティングが「点から線に」

「Marketoも何も知らないときに担当することになったのですが、当時は施策それぞれを仕事として行ってきていました。」
西家氏がマーケティング業務として行ってきたのは、メールの配信、コンテンツの作成、イベントの企画・実施など、それぞれがお客様との接触がある重要な取組みでした。しかし、個々の成果は上がるものの、最終的な受注にどうつながるかなど、それぞれが繋がって見えていたわけではなさそうです。
そういうこともあり、プロジェクトメンバーで「お客様がボートに興味を持ってもらうにはどういう情報が伝わればいいのか?」「購入の背中を押すにはいつどんなメッセージがあればいいのか?」を、お客様の気持ちの変化を軸に徹底的に議論をしました。
「プロジェクトを進めてきて、これまで点だったものが、新規獲得から成約まで、線でつながってきました。」と西家氏は振り返ります。「まず全体を描くことから入ったので、よかったように思います」。リーダーの片山氏も「最初は不安もありましたが、BAさん(ビジネス アソシエイツ)の力も借りて課題やタスク管理をしてきてやるべきことが繋がって見えてきました。」と言います。単なる施策実施ではなく、顧客とのエンゲージメントが目的であるMarketoの思想と、それを念頭に置いたアプローチは有効でした。

デジタルコンテンツ作成を通じた社内の「顧客視点」の醸成

プロジェクトで多くの時間を費やしたのは、素直に「お客様に必要なコンテンツは何か?」を考えることでした。これは言葉として意識はしてこなかったものの、「ナーチャリング」そのものでした。
「BAさんに編集を支援いただいたとはいえ、コンテンツを作るのは大変でした。しかし、続けていくうちに、自然と見てくれる相手のことを考えながら作るようになってきたのです。」と西家氏は言います。実務を通じて、デジタルマーケティングで必要な顧客視点が自然と培われてきたことも大きな変化でした。
結果的に、数で言うと30を超えるコンテンツを作成することになりましたが、それはプロジェクトメンバーだけではとても実現できません。社内でコンテンツ作成の協力者を巻き込むことは必須でした。最初は協力者を見つけることは難しかったようですが、「自分たちが一生懸命コンテンツ作成に取り組んでいる姿を見て、少しずつ協力してくれる人が増えてきたのです。」とのこと。
このようにプロジェクトをきっかけとして、社内のノウハウが顧客向けに活用される土壌ができてきました。
「最近は、お客様や営業から、“あのコンテンツいいよ”とお声かけいただくことも増えてきました。」と手ごたえを感じているようです。

オンライン/オフライン融合のモデル「営業から必要とされる」存在に

製品の特性上、オンラインだけでビジネスは完結せず、ボートショーなどのイベントにホットリードのお客様に来場いただくことが非常に重要なポイントになります。
「プロジェクト期間中、非常に印象的な出来事がありました。あるボートショーで、Marketoでスコアが上がってきており、この人が来てくれたらいいなと思っていたお客様が、実際にイベントに来てくださり、それをきっかけに営業がクロージングできました。これは本当にうれしくて、心のなかでは叫びたい気持ちでした。これが本来やりたかったことです。」と西家氏は興奮気味に語ってくれました。
担当した営業からも、通常では初めての営業によるコンタクトから受注まで2~3カ月かかる工程を、1日で進められたと感謝されたそうです。
本来この取組みは、営業に価値のある情報を提供して成約に結び付けるのが目的です。当初、まだ新しい取組みだということもあって、「営業からの理解を得ることが、非常に高いハードルでした。」と片山氏は振り返ります。こういった出来事を経て、現在少しずつ営業部門からの認識や理解も高まってきているようです。
「これまでやってきて、自分がやっているんだ、という使命感や責任感を感じるようになりました。」と西家氏は言います。自社に適したオンライン/オフライン融合モデルができてきたことを実感されているようです。
当社が早くからマーケティングオートメーションに関わってきて、人材の必要性を感じてきたなかで、ヤンマー舶用システムでは、まさにこれからのマーケティング人材が育ってきたことを実感しました。
「いつか営業で逆の立場になったときに、使いこなせるようになることが本当の成功です。」とリーダーの片山氏も、ひとつ高い視点から語ってくれました。

BAは「同じ目標に進んでいるメンバー」

片山氏、西家氏のお二人に、一緒に走ってきた当社についての感想もお聞きしました。
「もちろん外部の方なのですが、同じ目標に進んでいるメンバーという意識の方が強いです。BAの〇〇さんというより、メンバーの〇〇さんという感じですね。」
「一度印象的なことがありました。私は何でも思ったことを言おうというスタンスなのですが、プロジェクトの途中で進め方について“今はこちらを優先した方がいいのでは?”と思い切って意見したときがありました。反応を少し気にしたのですが、むしろ考えを評価して前向きに考えてくれて、柔軟に対応してもらえました。そのときはうれしかったです。」と笑顔でお話いただけました。

試行錯誤しながらも動きを止めることなくプロジェクトを進めてきたことで、今年3月には期の目標としていたKPIのうち主要なものはほぼ達成できたということです。片山氏いわく、「2年やってきて成果が出てきたことで、社内でも認められるようになってきました。今後はもっと成功事例を増やし、営業にも必要とされたい。」とのことです。
そして、「この取り組みを自事業部門だけではなく、全社へ横展開して広げたい」。お二人には目を輝かせてお話いただきました。

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