2023.07.28

【実録】生成AI でデジマ業務は楽になるのか?~コラム記事生成編~

昨今、ChatGPTを始め、テクノロジー系ニュースでは言及されないことはないぐらいになった生成AI。
そもそも、生成AIとは何か、wikipediaによると
「プロンプトに応答してテキスト、画像、または他のメディアを生成することができる人工知能システムの一種である。生成AIモデルは、入力された訓練データの規則性や構造を学習し、同様の特性を持つ新しいデータを生成する」のだそうです。
もう少し簡単にいうと、コンピュータが学習したデータを元に、新しいデータを生成する技術、というところでしょうか。

マーケティング系の記事では、コンテンツを代わりに作成してくれるからライターは仕事が減るのではないか、な勢いの記事があったりします。(メディアとして、あえてセンセーショナルな言い方をしているのだとは思いますが)
ただ、現実問題としてコンテンツ制作が楽になると嬉しいわけですが、実際なところ、どうなのでしょうか。

実際にChatGPTを使ってみる

百聞は一見にしかずで、ChatGPTを使ってみて確認していきたいと思います。
さて、早速ChatGPTにログインして、こんな質問を投げました。
(筆者注:以下パラグラフは実際に出てきた内容を参考までに転記しただけなので、読み飛ばしてもらっても大丈夫です)

Q Marketoについてのブログを書いて (クリックして答えを表示)

A もちろんです!以下は、Marketoについてのブログ記事の例です。
【タイトル】
マーケティングオートメーションの王道、Marketoの魅力と活用方法
【イントロ】
マーケティングオートメーションは現代のマーケティング戦略において欠かせない要素となっています。その中でもMarketoは、高機能なマーケティングオートメーションツールとして多くの企業に利用されています。本記事では、Marketoの魅力と活用方法について探っていきます。
【本文】
1. Marketoの概要と特徴
 - Marketoの基本機能と主な特徴について解説します。リード管理、キャンペーン管理、メールマーケティングなど、Marketoが提供する機能の幅広さについて触れます。
2. Marketoの利点とビジネスへのメリット
 - Marketoの活用による具体的なメリットを紹介します。リードの効率的な獲得と育成、パーソナライズされたマーケティングキャンペーン、効果的なROIの追跡など、Marketoがビジネスにもたらす価値について説明します。
3. Marketoの導入と設定
 - Marketoを導入する際のポイントや設定の基本について解説します。データの統合、マーケティングオートメーション戦略の策定、トラッキングとレポート設定など、スムーズな導入をサポートするためのヒントを提供します。
4. Marketoのキャンペーンデザインと最適化
 - Marketoを使ったキャンペーンデザインのポイントや最適化の方法について紹介します。セグメンテーション、トリガーベースのキャンペーン、A/Bテストなど、成功するキャンペーンを構築するための手法を解説します。
5. Marketoのデータ分析と改善
 - Marketoのデータ分析と改善についてのアプローチを紹介します。重要な指標の追跡、マーケティングオートメーションデータと他のデータソースの統合、トラブルシューティングと改善策の立案など、効果的なデータ活用と改善の方法を提案します。
【まとめ】
Marketoは、マーケティングオートメーションの王道として、多くの企業に利用されています。その幅広い機能と高度なカスタマイズ性により、マーケティング活動の効率化とパフォーマンス向上を実現することができます。この記事を通じて、Marketoの魅力と活用方法について理解し、ビジネスの成果を最大化しましょう。
このような形式のブログ記事では、Marketoの概要、利点、導入方法、キャンペーンデザイン、データ分析、改善策など、読者に役立つ情報を提供することが重要です。自社の経験や専門知識を活かして、具体的な事例やヒントを交えながら読みやすく解説してみてください。


あんなざっくりしたお願いでも、それっぽい文章を書けるのはすごいですね。
構成や内容のポイントも、なかなか適切にできていると思います。
ただ、「それっぽく」はあるものの、ちょっと一般的な内容過ぎて、Marketoパートナー歴10年にもなる弊社としては、もう少し深い内容がほしいです。
ということで、ワガママにも追加でお願いです。

Q もう少し、深く実用的な観点で書けない? (クリックして答えを表示)

A もちろんです!以下は、より実用的な観点でMarketoについてのブログ記事を書いた例です。
【タイトル】
Marketo運用の成功を支える5つの実践的なベストプラクティス
【イントロ】
Marketoは優れたマーケティングオートメーションツールですが、その機能を最大限に活用するためには、適切な運用が必要です。本記事では、Marketo運用の成功を支える実践的なベストプラクティスについて紹介します。これらのベストプラクティスを取り入れることで、マーケティングの効率化と成果の最大化を実現しましょう。
【本文】
1. データ管理とセグメンテーションの徹底
 - Marketoを効果的に活用するためには、クリーンで正確なデータが不可欠です。データのクレンジングとアップデートを定期的に行い、ターゲットセグメントを明確に設定しましょう。セグメンテーションによるターゲットリストの作成とパーソナライズされたコンテンツ配信は、ターゲットの関与を高めるために重要です。
2. トリガーベースのキャンペーンの活用
 - トリガーベースのキャンペーンは、リアルタイムのユーザー行動に応じて自動的に応答することができます。ウェブサイトの訪問、リードのスコアリング、特定のアクションなど、トリガーを設定してタイミングを逃さずにマーケティングメッセージを送信しましょう。これにより、リードのエンゲージメントを高め、効果的なフォローアップを実現します。
3. メールキャンペーンの最適化
 - メールキャンペーンはMarketoの中でも重要な要素です。効果的なメールの設計と最適化には、テストと分析が欠かせません。A/Bテストや件名、コンテンツ、CTAの最適化、配信時間の最適化など、定期的なテストと改善を行いましょう。
4. レポートとデータ分析の活用
 - Marketoのレポートとデータ分析機能を活用することで、キャンペーンのパフォーマンスを評価し、改善の方向性を見つけることができます。重要な指標を追跡し、データの可視化と洞察を得るためにカスタムレポートを作成しましょう。これにより、戦略的な意思決定が可能となります。
5. マーケティングオートメーションの戦略の見直し
 - Marketoの運用は、マーケティングオートメーション戦略との統合が重要です。定期的な戦略の見直しを行い、目標に合わせてプログラムやキャンペーンを調整しましょう。マーケティングオートメーションの目的とビジネスの目標を一致させることで、成果を最大化することができます。
【まとめ】
Marketoの運用においては、データ管理、セグメンテーション、トリガーベースのキャンペーン、メールキャンペーンの最適化、レポートとデータ分析、そしてマーケティングオートメーション戦略の見直しが重要です。これらの実践的なベストプラクティスを取り入れることで、Marketoの活用度向上とマーケティング成果の最大化を実現しましょう。
このような形式のブログ記事では、具体的なベストプラクティスや実践的なアドバイスを提供することが重要です。読者が直接行動に移せるような手順やヒントを示すと、より実践的な価値が高まります。自社の経験や成功事例、具体的な手法を交えながら、読みやすく解説してみてください。


これまた雑な追加のお願いでも、具体的になりました。ただ、まだちょっと一般論というか、教科書的な内容ですね。。
なので、文章中に出てきたキーワードを元に、追加質問で書き上げてもらうこと数回。。。
キーワードを追加することで具体的になる内容にはなっていくものの、どうしても一般論的な文章から抜け出ていません。
どうしたら、いいのでしょうか・・・?

改めて生成AIを考える

そこで私は気づきました。
「2001年宇宙の旅」→「ターミネーター」→「MATRIX」に影響を受けている私は、AIが人間を超える思考がいつかは実現する、と思ってしまっていたことを。
改めて考えてみると、(将来はさておき、)現時点では生成AIは「入力された訓練データの規則性や構造を学習」しているレベルで、入力された情報から「次にどんな単語が来るか」を統計的・確率的に予測して選んでいるにすぎません。つまり、データが入力されていない内容については言及できない、ということになります。
「Marketo利用にあたって弊社が経験してきた知見」は、全てを言語化できず、新規参画メンバーにもなかなか伝承しきれないこともある状況です。だとすれば、そのような情報を与えられていないだろう、生成AIに深いエッセンスを期待するのは難しいということなります。

得られた結論として、、
自社の強みをアピールできるような、エッジが立った内容のコンテンツ作成に貢献できるか、という問いについては、
現時点では難しい、ということになると思います。

 

一方、コンテンツの提供環境・位置づけにもよりますが、ラインナップとしてコンテンツの数・種類を増やすために、どうしても企画案を考えないといけないこともあると思います。
特定のメンバーだけでは、どうしても見落としや偏りがあることもありますが、そういった場合に、幅広い視点を与えてくれるというのは有効なポイントでしょう。
また、作成した文章を読み込ませると、文章構造を整理したり、書いてみた内容に対してコメントを得られることもできます。そういった「違う視点を折り込む」という点でサポートを得るのも有効だと感じました。

 

ただ注意しておきたい点として、情報がどのように蓄積され、利用されるか、どう訂正できるのか、不明な点が多いのが、生成AIの怖い点でもあります。そのため、機密情報などを含めた情報を入力してみるといったことは、まだまだ避けておいたほうが無難でしょう。
(逆に、改めて「秘伝のレシピ」は登録できないのかもしれませんが)
また、原理からすると、間違っていることでも世に流布されている情報を元にするため、本来間違っている内容を盛り込んでしまう可能性があることも注意しておくべきで、内容の見極めはやはり重要です。

生成AIは有益な点もありますが、まだまだこれからの領域です。変に期待しすぎることなく、かといって、恐れすぎるでもなく、どう特徴を理解して、使いこなすかというのがポイントだと思いました。
そこをうまく付き合えれば、我々のコンテンツ制作業務をしっかりとサポートしてくれることでしょう。

記事を書いた人

蝦名 祥征