GA4分析前に確認しておきたい!WEBサイトで見るべきKPIと分析方法を解説

GA4(Google Analytics 4)の活用は、ウェブサイトのパフォーマンスを正確に把握し、マーケティング戦略を検討する上で非常に重要ということは第1回のコラムでもお伝えしました。
しかし、その効果を最大限に引き出すためには、どのようなKPIを設定するべきなのか、どのような目的を持って分析するべきかを理解しておくことが不可欠です。
本記事では、WEBサイトで見るべきKPIと目的の整理からはじめ、GA4を活用した具体的な分析方法を解説します。
本コラムは全4回でお届けしています。

WEBサイトのKPIとは?

WEBサイトのKPI(Key Performance Indicators)は、そのサイトが達成したい目標に対してどの程度達成しているかを数値化したものです。重要なのは、運営しているサイトが何を目指しているのかを明確にし、それに対する適切なKPIを設定し、分析することです。

サイトの目的や種類によって異なるKPI設定

しかし、全てのWEBサイトが同じKPIを使用するわけではありません。サイトの目的や種類によって、注目すべきKPIは大きく異なります。例えば、ECサイトでは、売上高や購入率を高めることが主な目標であるため、それらのKPIが重要な指標となります。また、カート放棄率は、ユーザーが購入プロセスの途中で放棄した頻度を示すため、これも重要なKPIとなります。

一方でコーポレートサイトの場合ではどうでしょうか。コーポレートサイトの目的は、ブランドの認知度を高めたり、情報を提供したりすることなので、訪問者数やページビューが重要なKPIとなります。訪問者数はサイトへの関心度を、ページビューはその関心の深さを示します。また、滞在時間は訪問者がサイトでどれだけの時間を過ごし、どれだけの情報を消費したかを示すため、これも重要なKPIとなります。直帰率は、訪問者がサイトをすぐに離れてしまった頻度を示すため、こうした指標も注目すべきKPIとなります。

このように、サイトの目的や種類によって、注目すべきKPIは大きく変わります。したがって、自分のサイトが何を目指しているのかを明確にし、それに対する適切なKPIを設定し、それらのKPIを定期的に分析することが重要です。

GA4でKPIになり得る指標とは?

KPIについてお話してきましたが、GA4ではどのようなKPIを設定して分析していくことができるのかを確認していきましょう。
ここではKPIとしてよく設定される具体的な例をいくつか挙げて確認していきます。

  1. ・訪問者数:サイトに訪れたユーザーの総数です。これには、新規のユーザーとリピートしたユーザーの両方が含まれます。
  2. ・新規のユーザー数:サイトを初めて訪れたユーザーの数です。
  3. ・リピートしたユーザー数:過去にサイトを訪れたことがあるユーザーの中で、再び訪れたユーザーの数です。
  4. ・セッション数:一定の期間内にユーザーがサイトを訪れた回数です。
  5. ・エンゲージセッション数:ユーザーがサイト上で何かしらのアクション(ページビュー、イベントなど)を起こしたセッションの数です。
  6. ・(ページごとの)流入数:特定のページを初めて訪れたユーザーの数です。
  7. ・ページビュー数:特定のページが表示された回数です。
  8. ・平均閲覧ページ数:ユーザー一人あたりの平均ページビュー数です。
  9. ・売上:サイト上での総売上です。
  10. ・購入回数:商品やサービスが購入された回数です。
  11. ・ユーザーあたりの売上:ユーザー一人あたりの平均売上です。
  12. ・コンバージョン数:目標としたアクション(例:購入、フォーム送信など)が成された回数です。
  13. ・セッション単位のCVR(コンバージョン率):セッションあたりの平均コンバージョン数です。
  14. ・ユーザー単位のCVR:ユーザー一人あたりの平均コンバージョン数です。
  15. ・エンゲージメント率:ユーザーがサイト上でエンゲージメント(アクション)を起こした割合です。
  16. ・直帰率:サイトに訪れてすぐに離れてしまったユーザーの割合です。
  17. ・離脱数:サイトから離れる前に一定のアクションを起こしたユーザーの数です。
  18. ・平均滞在時間:ユーザーがサイトに滞在した平均時間です。

KPIと分析の目的を整理した上で、GA4でのKPI設定を行うことが重要です。
KPIの整理はビジネスアソシエイツが得意としている領域となりますので、お悩みの際にはぜひご相談ください。

探索レポートを使って指標を確認

GA4の「探索レポート」を使用することで、設定したWEBサイトのKPIを深掘することができます。探索レポートを作成する際には見るべき指標、見る目的などの整理が必要となりますので、KPIの設定と分析目的の整理はしっかりと実施するようにしましょう。
今回は使用頻度が高い傾向にある「目標到達プロセスレポート」「ランディングページレポート」「新規集客レポート」の3つのレポートが提供する分析機能と活用方法について詳しく説明します。

目標到達プロセスレポート

目標到達プロセスレポートでは、ユーザーがサイトで目標を達成するまでの一連の行動を追跡することができます。例えば、「購入」や「問い合わせ」などの目標達成までのユーザーの行動パターンを詳細に把握することが可能です。
これにより、どのステップでユーザーが離脱しているか、また、その原因は何かを特定することができます。この情報を基にすることで、離脱率の高いステップを改善する具体的な施策を立てることができます。例えば、特定のページで離脱率が高い場合、そのページのデザインやコンテンツを見直すことで、ユーザーのエンゲージメントを向上させることが可能です。

ランディングページレポート

ランディングページレポートでは、ユーザーがサイトに訪れた際の最初のページ(ランディングページ)のパフォーマンスを分析します。ランディングページごとの訪問者数、直帰率、コンバージョン数などのKPIを確認することができます。
これにより、どのページがユーザーのエンゲージメントを高め、コンバージョンを促進しているかを把握することができます。この情報を利用することで、ランディングページの最適化や広告キャンペーンの改善につなげることができます。例えば、コンバージョン率が高いランディングページの特徴を把握し、他のページにもその要素を取り入れることで、全体のパフォーマンス向上を図ることが可能です。

新規集客レポート

新規集客レポートでは、新規のユーザーがどのようにサイトを訪れたか(どのマーケティングチャネルを通じて、どの広告クリエイティブを見て、どのキーワードを検索したかなど)を詳細に分析することができます。
これにより、新規ユーザーの獲得に効果的なチャネルやキーワードを特定し、マーケティング戦略の精緻化につなげることができます。例えば、特定の広告クリエイティブやキーワードが新規ユーザーの獲得に効果的であることが分かった場合、それらの要素をさらに強化することで、効率的なユーザー獲得を実現することが可能です。

これらのレポートを活用することで、ウェブサイトのパフォーマンスを総合的に理解し、具体的な改善策を立てることができます。GA4の強力な分析機能を最大限に活用し、ウェブサイトのパフォーマンスを向上させましょう。

まとめ

GA4の探索レポートを活用することで、設定したKPIの高度な分析が可能になります。
運営しているサイトが何を目指しているのかを明確にし、それに対する適切なKPIを設定してから分析を進めていくようにしましょう。
KPIの整理はビジネスアソシエイツが得意としている領域となりますので、お悩みの際にはぜひご相談ください。

次回のコラムでは、探索レポートについてより詳しく解説していきます。

記事を書いた人

星川翔太