ソフトバンクとシャープからDX推進企業の在り方を学ぶ

こんにちは!DX Labの近藤です。

 

DX関係のニュースを追っていて常に感じるのが、進化のスピードが速いという事です。

半年~1年前はテクノロジー起点の話ばかりで、この技術がこんなことに使えるのではないかとか、活用可能性を模索するために他社と組んでみようとか、そういったレベルの話が多かったように感じます。

それが数か月前から、実現に向けたより大規模な共創コミュニティを構築し始め、最近では実証実験が一通り終わり、より人々の課題解決に繋がるように改善するという新たなフェーズに入っているコミュニティも見かけます。

 

日本のDXというと、欧米より何周も遅れていると口癖のように言われますが、私は着実に前に進んでいると感じています。

確かに日本ではユニコーン企業が少ないですが、既存企業が既存製品及びこれまでのビジネスモデルを見直して変革に繋げている最中の事例を見つけやすくなってきました。

ただ、それはここ数か月の話で、一年前は難しい状況だったように思います。

 

さて今回は、スピード感を持ってDX推進に取組む企業の中から、ソフトバンクとシャープに焦点を当ててみたいと思います!

 

■ソフトバンクの価値創出

成長戦略として、「元々の主力事業である通信を介してヒト・モノ・コトをつなぎ、新しい体験をつくり出す」ことを打ち出しています。また、通信を介した新体験の先に、AIなどの最新テクノロジーとの融合による更なるサービスを見据えています。

そういった観点でフィンテックやモビリティにも注力し、KonfiやUberなど様々なグローバル企業や新興ベンチャー企業への投資を進めています。最近は、この戦略に懐疑的な見方が増えていますが、今後も投資を活用して事業の多角化を推し進める方針のようです。

モビリティに着目すると、投資だけではなく会社を立ち上げて事業の可能性を追求しています。トヨタとの共同出資会社「MONET」では、MaaSのプラットフォーマーとして各自治体でオンデマンドサービスの導入を進めています。
また、ユーザーの多様な課題やニーズに対応するためにMONETコンソーシアムを設立し、他業種との連携も進めています。2020年5月末時点での参加企業は557社にも上り、非常に注目度の高いコミュニティです。

そんなソフトバンクにとって、5Gはあらゆる意味を持つものだと思います。既存の通信を改善するだけではなく、ビッグデータやAIとの連携・シナジーによる新サービスの加速、その結果モノから課題解決への比重が高まり更に新しい共創を生むなど、5Gをきっかけに成長戦略が加速的に進んでいくのではないでしょうか。

 

■シャープの価値創出

事業ビジョンを「8K+5GとAIoTで世界を変える」と掲げ、既存ビジネスとテクノロジーを融合して新たな事業領域に手を出しています。以前ブログでも触れましたが、最も身近なのが既存の家電や太陽電池ビジネスを活用したスマートホーム事業でしょう。

既存製品をIoT化し、データをシャープ独自のAIoTプラットフォームに一元集約することで、既存製品のスマート化や、モノからデータ、単体販売からサブスクリプションといったビジネスモデルの拡大など、様々な変化が生じています。

シャープは事業の多角化を業務提携により推し進めています。例えば、関西電力やセコムやKDDIなど複数の企業とプラットフォーム間連携を進めることで、家電情報を用いた見守りサービスを展開しています。

 

ソフトバンクもシャープも、「DX推進」「デジタル化」といった世の中の過渡期に積極的に対応している企業だと思います。両社とも、これまでの事業をきっかけに新しい分野に手を広げ、ソリューションを意識した共創により新たな価値創出を進めています。

 

最初から他社とのエコシステムによる壮大な変革を始めるのは難しいですし、まずは足元から始めている企業が大半だと思います。
ただ、新たな価値やソリューションの創出を進めている企業の共通点として、自社完結していないという事は挙げられるのではないでしょうか。

 

それでは今回はこの辺で…!

最後に、先日アナウンスしたコンサルタントのブログ登場ですが、諸事情により6月開始となってしまいます。楽しみにしてくださっている方は申し訳ありませんが、もう少しお待ちいただけたらと思います。

 

次回もよろしくお願いします(^^♪

記事を書いた人

近藤 明香里